スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「HD機」での製作はなぜ手間がかかるのか?初心者向け解説

任天堂の新型ゲーム機にして、任天堂としては初のいわゆる「HD機」、「Wii U」が発売されてしばらくが経ちました。
そして、任天堂がなかなかソフトを用意できないことに対して少々物議をかもしています。

なぜソフトが用意しにくくなったのか?
今回はHD機のなにがややこしいのかという話を、その辺のこと全く知らない人向けに解説。

はじめに

はじめにいくつかお断りをさせて頂きます。
今回は、3DCGについてほとんど知らない方に向けて分かりやすく砕いた表現を多用した記事なので、ある程度知識のある方が見ると違和感を覚える部分もあるかと思います。ご了承ください。
次に、今回説明資料としまして「
GAME Watch」さんの連載コーナー「3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」の「西川善司の3Dゲームファンのための「バイオハザード5」グラフィックス講座(前編)」より一部画像を引用させて頂いています。
ただし、本来GAME Watchさんでは画像の転載・使用を許可していませんので、GAME Watchさんのほうへの直リンクにより画像を掲載しています。
状況によっては該当部分の画像の閲覧が不可となる場合がありますがご了承ください。
また、GAME Watchさんより何かしらの指示があった場合この記事は削除いたします。

さて、それでは本題に参りましょう。
WiiからWii Uにプラットフォームが移ったことで開発の手間がかかるようになる原因としてよく言われるのが「HDになったから」です。
しかし、これはちょっと間違いです。
「HD」というのは解像度をさしており、HDになったからといって必ずしも開発が困難になるわけではありません。
極端なことを言えばニンテンドウ64程度のグラフィックでもHDにはできます。

では正しくは何かというと「HD機になったから」です。
「HD機」というのは一見名前の通り解像度だけが特徴のようにも見えますが、特筆すべきは解像度以外の部分が大きいです。
俗に「HD機」といわれるハードは「物体の表現力」がすごいのです。そしてこれが開発の手間を増大させる原因の一つであります。

HD機になったことにより、物体一つ一つをより細かく作り込まなければならなくなりました。
まずパッと見て分かる点は扱えるポリゴン数が増えたのに合わせて物体一つ一つもより細かいポリゴンで作らなければならなくなったこと。この時点で手間は増えます。

が、手間がかかる理由はもちろんこれだけではありません。
任天堂のハードで言えば「Wiiでは扱えなかったために必要がなかったデータをWii Uでは設定しなければならない」のです。
もちろん、必ずしも設定しなければならないわけでもないですが、WiiとWii Uのグラフィックはこのデータによって大きな差が生まれているのです。
ですからWii Uならではのゲームを作るならこれはなんとしてでも設定しなければなりません。

ポリゴンには「テクスチャ」という画像が貼られています。
人の顔だとか服の模様だとか、それはテクスチャで表現しています。
 
http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio06.jpg 

↑これがテクスチャを貼っていない状態。

  http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio07.jpg

↑そしてこれがテクスチャを貼った状態。実際はポリゴンの線は見えないようになります。

と、この作業はWiiでもできますし、64や初代PSでもできます。というかできないと話にならないかんじです。

ところで、この画像なんですが実は光があたっていません。
いやいや、見えるということは光が当たってるじゃないかと思いますが、現実の世界ではこんなふうに光があたることはまず無いですよね。
というわけで少々おかしな表現ですが、この画像は「光が当たっている」というより「見えるようにしただけ」というかんじです。

ではこれに光を当ててみましょう。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio35.jpg 

…なんか変ですね。
これの何が変なのか説明しますと、肌も服も何もかも金属とかプラスチックみたいな光り方をしています。
ここから先がWiiとWii Uで違うポイント。
Wiiではこういった表現しかできないのですが、Wii U等のHD機では物体表面の細かな凹凸や物体のテカリ具合などを設定することができるのです。
※実際にはこの時点でもすでにWiiにはできない処理が含まれます。
具体的には顔の影が肩のあたりにおちている部分だとか、白く色がとんでいる部分です。


ちなみにそれを指定するデータは直接目に見える状態でゲーム中には出て来ませんが、物体表面に貼り付けられており、編集等の際は画像として表示されます。

さて、それではまず上の画像に服や顔のシワなど細かな凹凸をつけてみましょう。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio41.jpg 

これは「ノーマルマップ」や「法線マップ」といいます。なおこのノーマルマップは先程出てきた人物で使われているものではなく、別のキャラクターの体部分に使われているデータになります。
ノーマルマップは簡単に言うと「その場所の面がどこを向いているか」を設定するものです。
これをまっ平らな板のポリゴンに貼りつけたとしましょう。まっ平らな板に真上から光を当てれば本来はどこも同じくらいの明るさになります。
しかしノーマルマップが貼ってあると平面のままにもかかわらずあたかも凹凸ができたかのような陰影が浮かび上がります。
凹凸をノーマルマップ無しで表現するとなると必要なポリゴンが一気に増えて処理が追いつかなくなりますが、ノーマルマップを使うとポリゴンを増やさずに凹凸を表現できるのです。
ただし、本当に凹凸ができるわけではなく「凹凸があるかのような陰影がつくだけ」であり、横から見るとまっ平らなままなので数ミリから数センチ程度の凹凸で使うのが限界です。
なお、ハイエンドPCや業務用のマシンでは非常に沢山のポリゴンを扱えるようになってきており、ノーマルマップの使用量は減っていくのではという展望もあったりします。ゼロになるのはまだまだ当分先の話ですが。

さて、説明が長くなりましたが先ほどの画像の人物にノーマルマップを当てた状態で光を当ててみましょう。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio36.jpg

服や顔などに細かな凹凸ができている(ように見える)のがお分かりいただけると思います。

しかし、まだ物体のテカリを設定してないので違和感は残っていますね。
というわけで次は物体のテカリの設定です。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio40.jpg

これは「スペキュラマスク」
何度か出てきているているとおり、物体のテカリを設定するためのものです。
それではスペキュラマスクも貼り付けて先ほどの人物に光を当ててみましょう。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio37.jpg

だいぶ本物の人間らしくなりました。
これでも充分なようですが、まだもう少し処理が残っています。

ここまで「光を当てる」と表現してきましたが、正確には「明るさを求めた」だけで、例えば青い光が当たっている状態なんかはこの段階では表現できません。
また、ここでは目立たないですが眼球に景色が映り込んだり、ガラスや金属板なんかがあればそこにも景色が映り込んだりするはずです。
それを「環境光」と言いますが、環境光を当てるとこんなかんじに。

http://game.watch.impress.co.jp//img/gmw/docs/170/470/bio38.jpg

この場面では違いが分かりにくいですが、先ほど例をあげたように青色の光が当たったりなんていう場面では大きく違いが出ます。


さて、以上でHD機の特長をだいたい説明し終わりました。
実際にはここからさらにいろいろな処理が加えられるのですが、基本的な部分はこんなかんじで、ここまでやれば最低限「HD機相応のクオリティ」と言って差し支えないのではと思います。

ということで、HD機は「より細かいモデルを使う」、「処理のステップが増え、それに使うデータを二つ以上は作らなければならない」という理由によりいわゆるSD機より開発の手間が増えているのです。

…お分かりいただけたでしょうか?
精一杯分かりやすく砕いたつもりですが…

ちなみに、ノーマルマップ、スペキュラマスク、環境光を使った処理は3DSでもHD機と比べれば小規模ながらわりと本格的に行えます。
3DSはその点で話題になったのです。


今回の記事は以上です。
せっかくHD機が一般的になったのですから、そのへんの知識を蓄えるとちょっと得するかもですよ。
それでは良きゲームライフを。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

リーブル

Author:リーブル
かなり気まぐれ。
ゲームの話が多いかも?

最新記事

カウンター



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。